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投稿者 まりこ        
作成日 2009/04/08
ホームページ http://cordillera-green.net/
ㆍ推薦: 0  ㆍ照会: 10114      
イフガオ州の知られざるライステラス(棚田)の村・マヨヤオ
 イフガオ州にバナウエというユネスコに世界危機遺産に指定されている有名な棚田群があります。バナウエには、マニラから直行バスも出ているし、わたしたちCGNの拠点のあるバギオからも直行バスが何本もあってアクセスも比較的容易。また、マルコス政権下に観光振興政策の一環で作られた高級ホテルもあって観光客も多く訪れています。
 
 でも、実は世界危機遺産に指定されている棚田郡はかなり広い地域に及んでいて、バナウエから、トライシクルで2時間ほどのフンドアン郡や、ミニバスでガタガタ道を3時間ほどの下ったマヨヤオ郡、それに
第二次大戦中に山下大将が降伏したことでも知られるキアガン郡にも、すばらしい棚田が広がっています。もちろんこれらの郡の人も「バナウエよりうちの棚田のほうが美しいでしょう?」と、自分たちの棚田を誇りにしています。
 今回の環境教育セミナーの開催地であるマヨヤオも、まさに棚田の村。棚田が村の主役で、人の住む家は、遠慮がちに棚田の合間に控えめにポツンポツンと建っています。草葺き屋根はトタン屋根に姿を変え始めていますが、昔ながらの小さな高床式の伝統家屋がほとんど。村の主役はあくまでもライステラス(棚田)です。
 村の中心にはロッジがひとつと役場の隣に小さな看板があるだけで、どこも観光地らしいところはありませんが、この地に何度もトレッキング&マウンテンバイクのツアー、そして写真撮影のために訪れているJPアリピオ君によると、滝やビューポイントなどなど、1週間では見切れないくらいのすばらしい観光資源に恵まれているとのこと。
(マヨヤオの棚田の写真はJPアリピオ君のMultiplyのGallaryにあるので、ぜひ覗いてみてください)
 昔ながらの素朴な暮らしがずっと続いてきたこの村も、美しい棚田の情報が少しずつ広まり、貧しい住民たちの生活を助けるための救世主として、「観光」にスポットが当たり始めています。目先の収入ばかりを考え、肝心な観光客を惹きつけている自然や棚田の景観を損なうことがないように、「エコツーリズム」という言葉も聞かれ始めました。
 そして、今、この村の抱えているいちばんの環境問題は、なんと「巨大ミミズ」。丈夫な棚田の石積みの壁をものの見事に崩すこのミミズは、10年位前にバランバン村に現れ、どんどん活動エリアを広げ、今ではマヨヤオの棚田全体に広がっているそうです。ミミズ退治のために、薬品をまくようになり、棚田の生き物たちも姿を消し始めています。ドジョウもカエルもトンボも巨大ミミズと一緒に姿を消し、数千年にわたって保たれてきた棚田の生態系が崩れはじめています。
 もともとこの巨大ミミズの数が異常に増えたのも、この地の生態系のサイクルが狂ってしまった証拠です。イフガオ民族が古来伝えてきた森林保護のシステム「ムヨン」も徐々に失われており、棚田の周辺の森は消えかかっています。森を住処にしていた生き物たちも減り、棚田を中心とした地域の生態系のバランスが崩れてしまったのでしょう。 主食の米を生む棚田はとても大事で、だれも壊そうとはしないけど、棚田は棚田だけでは存在し得ないのです。
 「観光ビジネス」と「巨大ミミズ」、この村が直面するふたつの環境問題はずいぶん毛色が違いますが、今、対策に取り組まなければ、取り返しがつかないことでは共通します。解決には、正しい環境保全に対する知識は欠かせません。
 わたしたちの環境教育セミナーツアー「エコ・キャラバン」は、山岳地方の知られざる美しき景観に出会いながら、同時にそれぞれの村の抱えるさまざまな環境問題を目にしながら、山岳地方をめぐっています。


氏名アイコン Mel
2013-03-27 18:25
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